East Almanac
日本語

54. 雷泽歸妹 (归妹)

卦辞

帰妹:征けば凶なり、利ろしき所なし。

現代解釈

雷沢帰妹は、内なる情動や歓喜に駆られて拙速に動く結びつきを象徴し、順序や名分を欠いた前進には警戒を促す卦です。古典の教えは征けば凶と戒めており、目先の勢いに流されず、始めの段階から将来の歪みを見極める慎重さが求められます。

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プロンプトプレビュー
易経・四柱推命のリーディング依頼(eastalmanac.com より)。
Page: Hexagram 54 归妹 — 卦辞.
二層構造で解釈してください。1)理法の根拠:卦爻の変爻や干支五行の力点と注意すべき盲点。2)実践的アドバイス:問いに対する率直な結論、動詞から始まる2〜3の具体的な行動指針と内省の要点。決定論を排し、自省と意思決定の参考にしてください。出典・詳解:
https://eastalmanac.com/ja/yijing/54/0

八字命式

下卦の兌金と上卦の震木が織りなす金木交戦の配置は、衝動的な情熱と規範意識の衝突を暗示しています。四柱推命の観点では、規律を司る官星の統制が緩み、感情や欲望を司る星が暴走すると、性急な契約や対人関係の破綻を招きやすいと解釈されます。伝統命理が説くように、一時の快感や勢いのみで重大な決断を下すことを慎み、客観的な節度を守る必要があります。感情の高ぶりに任せて突進するのを抑え、社会的なルールや秩序を遵守することが災いを避ける第一歩です。

西洋占星術

金星、火星、天王星のハードアスペクトに見られるような、電撃的な情熱と既存ルールへの反発が混在する配置を映し出しています。このトランジット期には、魅力的な誘惑に心を奪われ、契約や責任の重みを軽視したまま不可逆な合意を結んでしまうリスクが高まります。占星術的な視点では、衝動的な熱狂の裏に隠された構造的な欠陥を冷静に精査すべきタイミングと見なします。高鳴る感情の波に身を任せず、理性の手綱をしっかりと引き締めて状況を観察してください。

易の占い

内に喜びを抱えて外に動く構造は、情念に引きずられて主体性を失いやすい不安定な情勢を示しています。互卦に既済を内包し、一見すると調和が整っているように映るものの、柔が剛に乗る不正な力関係によって基礎は極めて脆弱です。易占の伝統では征けば凶にして利ろしきところなしと断じられ、現状を顧みない積極的な拡大行動には強い戒めが置かれています。急いで前進しようと焦るのを止め、足元の規律と手続きを総点検することが最善の守りとなります。

仕事・キャリア

一時的な好条件や熱気に惑わされ、権限や責任分担が曖昧なままプロジェクトや提携を強行すると、深刻な混乱を招く恐れがあります。正当な手続きや法的な裏付けを軽視した独断専行は、組織内での信用の失墜や後々の監査での指摘に直結しかねません。現在は強気な事業拡張に打って出る時期ではなく、契約書面を精査し社内ガバナンスを徹底することが急務です。口約束や目先の勢いに頼るのをやめ、公式な手続きと実務の根拠を固めることに専念してください。

金運

感情的な高揚感に流された出費や、甘い見通しに基づく投機的判断によって手元資金を圧迫されやすい運気です。欲望が先行して現実的な管理能力を超えてしまう構図があり、表面的な利益の裏に重い負担や隠れた負債が潜んでいる可能性があります。伝統的な指針に従い、リスクの高い新規取引は見送り、家計や事業の支出枠を厳格に引き締めることが賢明です。目先の甘い話に乗せられて資金を動かすことは避け、確実な現状防衛に徹しましょう。

恋愛・対人

出会いの瞬間的な熱量や惹かれ合う引力は強いものの、価値観や生活基盤のすり合わせが不十分なまま距離を縮めがちな傾向があります。本来果たすべき責任や誠実な段取りを後回しにすると、最初の高揚感が薄れた後に不満や不信感が噴出することになります。古典が示す戒めは、恋愛感情に目を奪われるだけでなく、相手の品性や現実的な相性を冷静に見定める重要性を伝えています。情熱の勢いだけで関係を進展させず、互いの誠実さと現実的な土台を確かめ合うことが不可欠です。

健康

木の気の高ぶりと金の気の損傷は、感情の起伏による自律神経の乱れや呼吸器および肝機能への過度な負荷を象徴します。さらに水火の拮抗する気配が内在するため、焦燥感からくる睡眠障害や疲労の蓄積にも配慮が欠かせません。養生の要点は、感情の波を穏やかに鎮め、不規則になりがちな生活リズムを整然とした日常へと戻すことにあります。興奮や夜更かしを避けて静かな時間を持ち、心身をクールダウンさせることが健康維持の基本です。

自己成長

大象伝の説く訓えは、物事の始まりの瞬間にその衰亡の兆候を予見する知恵を説いています。一時的な欲望や歓楽に突き動かされる幼さを克服し、自らの行動が引き起こす長期的結末に責任を持つことが人間的成長の課題です。目先の心地よさに甘んじることなく、潜む綻びを自覚する洞察力を磨く必要があります。結果を先回りして見通す慎重さを身につけることで、同じ失敗を繰り返さずに済みます。

相性

意気投合して急速に接近するものの、礼儀や役割の境界線が曖昧になり、甘えから生じる摩擦が起こりやすい関係性です。利害が絡む場面や困難に直面した際、相互の信頼基盤が脆いと容易に距離が生じ、失望へと転じかねません。対人関係の伝統では、馴れ合いを防ぐための節度と、明確な取り決めを最初から共有しておくことが長続きの条件とされます。親しい間柄であっても適度な距離感と礼儀を守ることが、不要な衝突を防ぐ防壁となります。

運の流れ

周囲からの魅力的な誘いが多く舞い込む一方で、権利関係の不備や制度上の壁といった落とし穴が潜む巡り合わせです。勢いに任せて現状を突破しようと試みても、想定外の横槍や規則違反によるブレーキがかかりやすくなります。この時期は無理に主導権を握ろうとせず、身の回りの整理整頓と内部の基盤固めに注力するのが賢明な選択です。外へ向けて仕掛けることを控え、足場を固め直す充電期間と位置づけましょう。

年運

年の初めは順調に見えても、中盤以降に隠れていた矛盾や契約上の不備が露見しやすい波乱含みの運気です。うまい話や安易な提携話に乗ってしまうと、負担ばかりを背負わされて実入りがない結果に終わりかねません。年間の指針としては、甘い見通しを排除し、義務と責任を厳格に履行する堅実な姿勢を崩さないことが肝要です。派手な成果を追うのではなく、地道に守りを固める姿勢が一年を通じた安全につながりやすい傾向にあります。

姓名判断

名前の構成に帰妹の気が色濃く出ると、行動力や華やかさはあるものの、軽挙妄動に走りやすく持続力に欠ける傾向が生じます。このアンバランスを補うためには、思慮深さを育む水性や、確固たる安定感を与える土性の要素を名前に加えることが伝統的な対処法です。浮ついた情動を抑え、落ち着いた判断力を養う意味合いを持たせることで、人生の土台が安定します。軽快さよりも重厚さと堅実さを重んじる銘を持つことが、堅実な歩みを助けます。

吉日選択

伝統的な暦学において、帰妹の日辰は婚礼や新規事業の立ち上げ、重要な契約締結には慎重を要する日と位置づけられます。この日に始めた事柄は、後に名分の不正や契約違反、感情的な対立を生みやすい傾向があると伝えられているためです。重大なイベントや将来にわたる約束事は、調和と秩序が整った吉日を再選定することが推奨されます。後日のトラブルを避けるためにも、無理にこの日を選ばず日取りを改めるのが賢明です。

風水

雷と沢が激しくぶつかり合う象は、住空間において気の流れが乱れ、住人の感情が昂りやすくなっている環境を示唆します。直線的な風の通り道や鋭い梁の圧迫感が、家庭内の口論や落ち着きのなさを助長している可能性があります。風水の伝統では、土の要素を取り入れて安定感を高めるか、水の要素で金と木の衝突を和らげることが環境改善の基本とされます。室内の過度な刺激を抑え、穏やかで落ち着いた動線を確保することが家庭の平和につながります。

参考資料

原文

彖伝

帰妹は天地の大義なり。天地交わらざれば万物興らず。帰妹は人の終始なり。説(よろこ)びて以て動くは、妹を帰(とつ)がする所以(ゆえん)なり。征けば凶なりとは、位当たらざればなり。利ろしき所なしとは、柔が剛に乗ずればなり。

大象伝

沢の上に雷あるは帰妹なり。君子以て終わりを永くし敝(へい)を知る。

古典注釈

周易本義卦辞

婦人の嫁ぐを帰と謂う。妹は少女なり。兌は少女をもって震の長男に従い、その情はまた説(よろこ)びをもって動く。皆正しきにあらざるなり。ゆえに卦を帰妹となす。卦の諸爻は二より五に至るまで皆正を得ず、三と五はまた皆柔をもって剛に乗ず。ゆえにその占いは征けば凶にして利ろしき所なきなり。

周易本義彖伝

卦名と卦義を釈するなり。帰とは女の終(おわり)にして、生育とは人の始(はじめ)なり。説の音は悦。

また卦徳をもってこれを言う。また卦体をもって卦辞を釈す。男女の交わりは本と皆正理なり。ただこの卦のごときにおいては、すなわちその正を得ざるなり。

周易本義大象伝

雷動き沢随うは帰妹の象なり。君子はその合の不正なるを観て、その終わりの敝(やぶ)れあるを知る。これを事物に推すに、皆然らざるはなし。

伊川易伝卦辞

帰妹の序卦に「漸とは進むなり。進めば必ず帰する所あり、ゆえにこれを受くるに帰妹をもってす」と。進めばすなわち必ず至る所あり、ゆえに漸には帰の義あり。帰妹が漸を継ぐ所以なり。帰妹とは女の帰(とつ)ぐなり。妹は少女の称なり。卦たる、震上にして兌下、少女をもって長男に従うなり。男動き女説び、また説びをもって動くは、皆男が女を説び女が男に従うの義なり。卦に男女配合の義ある者は四あり、咸・恒・漸・帰妹なり。咸は男女の相感ずるなり。男女の下に下り、二気感応し、止まりて説ぶは男女の情相感ずるの象なり。恒は常なり。男上にして女下、巽順にして動き、陰陽皆相応ず。これ男女居室、夫婦唱随の常道なり。漸は女の帰ぐのその正を得たるなり。男女の下に下りておのおの正位を得、止静にして巽順、その進むに漸あり。男女配合その道を得たるなり。帰妹は女の嫁ぎ帰ぐなり。男上にして女下、女男に従うなり。しかも少きを説ぶの義あり。説びをもって動き、動くに説びをもってすれば、すなわちその正を得ず。ゆえに位皆当たらず。初と上とは陰陽の位に当たると雖も、陽下に在りて陰上に在れば、また位に当たらざるなり。漸と正しく相対す。咸と恒は夫婦の道、漸と帰妹は女帰の義なり。咸と帰妹は男女の情なり。咸は止まりて説び、帰妹は説びに動く、皆説びをもってす。恒と漸は夫婦の義なり。恒は巽にして動き、漸は止まりて巽なり、皆巽順をもってす。男女の道、夫婦の義、ここに備われり。帰妹の卦たる、沢の上に雷あり。雷震いて沢動き従うの象なり。物の動きに随うは水に如くはなし。男上に動き女これに従うは、嫁ぎ帰りて男に従うの象なり。震は長男、兌は少女なり。少女長男に従い、説びをもって動き、動きて相説ぶなり。人の説ぶ所の者は少女なり、ゆえに妹と云いて女帰の象となす。また長男少女を説ぶの義あり、ゆえに帰妹となすなり。

説びをもって動きて動くこと当たらず、ゆえに凶なり。位に当たらずとは当たらざるなり。征けば凶とは動けばすなわち凶なるなり。卦の義のごときは、独り女の帰ぐのみならず、往くとして利ろしき所なきなり。

伊川易伝彖伝

一陰一陽これを道と謂う。陰陽交感し男女配合するは天地の常理なり。帰妹は女男に帰ぐなり。ゆえに天地の大義と云うなり。男女の上に在り、陰陽に従いて動く。ゆえに女帰の象となす。天地交わらざればすなわち万物何よりして生ぜん。女の男に帰ぐは乃ち生生相続くの道なり。男女交わりて然る後に生息あり。生息ありて然る後にその終わり窮まらず。前者に終わりありて後者に始めあり、相続けて窮まらざるは、これ人の終始なり。

二体をもって帰妹の義を釈す。男女相感じ、説びて動く者は少女の事なり。ゆえに説びをもって動き、帰する所の者は妹なり。征けばすなわち凶なる所以の者は、諸爻皆位に当たらざるをもってなり。処る所皆正しからず、何ぞ動きて凶ならざらん。大率説びをもって動けば、安んぞ正を失わざるものあらんや。

ただ位の当たらざるのみならず、また剛に乗ずるの過ちあり。三と五とは皆剛に乗ず。男女に尊卑の序あり、夫婦に唱随の礼あり、これ常理なり。恒のごときはこれなり。苟も常正の道に由らず、情に徇(したが)い欲をほしいままにし、ただ説ぶことこれ動けば、すなわち夫婦瀆乱し、男は欲に牽かれてその剛を失い、婦は説びに狃(な)れてその順を忘る。帰妹の剛に乗ずるがごときはこれなり。凶にして往くとして利ろしき所なき所以なり。夫れ陰陽の配合、男女の交媾は理の常なり。然れども欲に従いて流放し、義理に由らざれば、すなわち淫邪至らざる所なく、身を傷ない徳を敗る。豈に人の理ならんや。帰妹の凶なる所以なり。

伊川易伝大象伝

雷上に震い沢随いて動く。陽上に動き陰説びて従うは、女男に従うの象なり。ゆえに帰妹となす。君子は男女配合生息相続くの象を観て、もってその終わりを永くし敝(やぶ)れ有るを知るなり。終わりを永くすとは生息嗣続永久にその伝をなすを謂う。敝れを知るとは物に敝壊ありて相継ぐの道をなすを知るを謂う。女帰げばすなわち生息あり、ゆえに終わりを永くするの義あり。また夫婦の道はまさに常に永く終わり有るべくして、必ずこれに敝壊の理あるを知りてこれを戒慎す。敝壊とは離隙を謂う。帰妹は説びて動く者なり。恒の巽にして動く、漸の止まりて巽なるに異なり。少女の説びは情の感動にして、動けばすなわち正を失う。夫婦の正にして常なるべきの道にあらず。久なれば必ず敝壊す。その必ず敝るるを知れば、すなわちまさにその終わりを永くせんことを思うべし。天下の反目する者は、皆能く終わりを永くせざる者なり。独り夫婦の道のみにあらず、天下の事終わりあり敝れあらざるは莫く、継ぐべく久しくすべきの道あらざるは莫し。帰妹を観ればすなわちまさに永終の戒めを思うべきなり。

周易注卦辞

妹とは少女の称なり。兌を少陰となし、震を長陽となす。少陰にして長陽に乗じ、説びて動くは、妹を嫁ぐの象なり。

周易注彖伝

陰陽すでに合し、長少また交わるは、「天地の大義」にして人倫の終始なり。少女にして長男と交わるは、少女の楽しまざる所なり。しかるに今「説びて動く」は、帰する所必ず妹ならん。長男と交わると雖も、嫁ぎて娣(いもうと)に繋がる、ここをもって「説ぶ」なり。履むところ皆当位ならざるは、「征凶」の義を釈す。位すでに当たらざれば、正嫡にあらざるを明らかにす。説動に因りて更に進むを求むるは妖邪の道なり。その「征凶」を戒むる所なり。もって征けばすなわち不正の凶あり、もって処ればすなわち剛に乗ずるの逆あり。

周易注大象伝

帰妹は相終始するの道なり、ゆえに「終わりを永くし敝れを知る」をもってす。

周易正義卦辞

正義に曰く、帰妹とは卦名なり。婦人の嫁ぐを帰と謂う。「帰妹」はなお妹を嫁ぐと言うがごとし。然れども《易》の帰妹を論ずるや名を得ること同じからず。《泰卦》の六五に「帝乙妹を帰がす」とあり。彼れは兄が妹を嫁がすに拠りてこれを「帰妹」と謂う。この卦の帰妹と名づくるは、妹をもって娣に従いて嫁ぐを以て、これを「帰妹」と謂う。ゆえに初九の爻辞に「妹を帰がすに娣をもってす」と云うはこれなり。上の咸卦は二少の相感ずるを明らかにし、恒卦は二長の相承くるを明らかにす。今この卦は少をもって長を承く、これ匹敵にあらず。明らかにこれ妹の娣に従いて嫁ぐなり、ゆえにこれを帰妹と謂う。古は諸侯一度に九女を取り、嫡夫人および左右の媵は皆姪娣をもって従う。ゆえにこの卦をもってこれに当つるなり。姪を帰がすと言わざる者は、女娣は兄弟の行なれば、また尊を挙げて以てこれを包むなり。「征凶、利ろしき攸なし」とは、帰妹の戒めなり。征とは進みて往く所有るを謂う。妹の娣に従いて嫁ぐは、本より正匹にあらず。ただ須(すべか)らく自ら卑退を守りて元妃に事(つか)うべし。もし妾進みて寵を求むれば、すなわち並後の凶咎の敗あり。ゆえに「征凶、利ろしき攸なし」と言うなり。

周易正義彖伝

正義に曰く、「帰妹は天地の大義なり。天地交わらざれば万物興らず」とは、これ天地交合して然る後に万物蕃興するを挙げ、帰妹の義を証美するなり。卦名を釈するに及ばざるに先ず引証する所以の者は、帰妹の義をもってすれば、人情の欲する所にあらずして、且つ匹対の理に違えばなり。蓋し聖人礼を制し、姪娣をしてその姑娣に従いて妾媵に充てしむるは、その継嗣を広むる所以にして、もって天地が少陰少陽・長陰長陽の気をもって共に相交接し、もって万物を蕃興するに象(かたど)るなり。「帰妹は人の終始なり」とは、上にすでに天地交合を引いて証となし、ここにまた人事の「帰妹」を挙げてその義を結び合するなり。天地は陰陽相合するをもって生物已まざるを得、人倫は長少相交わるをもって継嗣絶えざるを得。帰妹は豈に「天地の大義、人倫の終始」にあらずや。

正義に曰く、これ二体に就きて帰妹の義を釈す。少女にして長男と交わるは、少女の楽しまざる所なり。しかるに今「説びて動く」は、帰する所必ず妹ならん。長男と交わると雖も、嫁ぎて娣に繋がる、ここをもって説ぶなり。娣に繋がるが説ぶ所以たる者は、すでに娣に繋がりて媵となれば、別に適くことを得ず。もしその数に備わるをもてせざれば、更に動望の憂いあり。ゆえに娣に繋がりて行うは礼に合い、「説びて動く」なり。「利ろしき攸なしとは、柔剛に乗ずればなり」。

正義に曰く、これ六三・六五の剛に乗ずるに因りて、「利ろしき攸なし」の義を釈するなり。夫れ陽は貴くして陰は賤し。妾媵の賤をもって進みて殊寵を求むるは、即ちこれ賤をもって貴を陵(しの)ぐなり。ゆえに施すとして利ろしきなきなり。

注に「もって征けば」から「剛に乗ずるの逆あり」に至るまで。

正義に曰く、《彖》は失位をもって「征凶」を釈し、乗剛をもって「利ろしき攸なし」を釈す。しかるに《注》に連ね引いてこれを言う者は、《略例》に云わく、「初・上を去りて位分を論ずれば、すなわち三・五はおのおの一卦の上に在り、何ぞ陽と謂わざるを得んや。三・四はおのおの一卦の下に在り、何ぞ陰と謂わざるを得んや。然らばすなわち二・四は陰位なり、三・五は陽位なり」と。陽は上に応ずべく、陰は下に応ずべし。今、二・三・四・五、並びに皆位を失えり。その勢い自然に柔皆剛に乗ず。それなお妾媵の寵を求め、その勢い自然に賤をもって貴を陵ぐがごとし。柔の剛に乗ずるは正を失いて進むに縁(よ)るを明かすをもってなり。

周易正義大象伝

正義に曰く、「沢の上に雷ある」は、「説びて動く」なり。ゆえに「帰妹、君子もって終わりを永くし敝れを知る」と言う者は、「帰妹は相終始するの道なり」、ゆえに君子はこれに象(かたど)りてもって長久にその終わりを永くし、まさに不終の敝れ有るべきを知るがゆえなり。

出典