周易本義爻辞
羝は音低。羸は力追の反。
過剛不中にして壮の時に当たる。これ小人は壮を用い、君子は則ち罔を用うるなり。罔は無なり、有るを視ること無きが如くす、君子の勇に過ぐる者なり。此の如くなれば則ち正しと雖も亦た危うし。羝羊は剛壮にして触るるを喜ぶの物、藩は籬なり、羸は困なり。貞厲の占い、その象此の如し。
第3爻
九三:小人は壮を用い、君子は罔きを用う。貞なれども厲うし。羝羊藩に触れ、其の角を羸しむ。
九三は下卦の極みにあって陽気が過剰となり、力任せに壁を突破しようとして身動きが取れなくなる危うさを孕んでいます。伝統的な易学では「牡羊が垣根に突進して角を取られる」と例え、剛情を退けて柔軟に対処することを戒めています。
AIにこのページを聞いてみる
リンクはプロンプトを事前入力するだけで送信しません — 主導権はあなたに。リンクが効かない場合は下のプロンプトをコピーしてください。
易経・四柱推命のリーディング依頼(eastalmanac.com より)。 Page: Hexagram 34 大壮 — 第3爻. 二層構造で解釈してください。1)理法の根拠:卦爻の変爻や干支五行の力点と注意すべき盲点。2)実践的アドバイス:問いに対する率直な結論、動詞から始まる2〜3の具体的な行動指針と内省の要点。決定論を排し、自省と意思決定の参考にしてください。出典・詳解: https://eastalmanac.com/ja/yijing/34/3
剛強な性質が極限に達する九三は、真正面から力で押し通そうとすると袋小路に陥る構造を持ちます。易学の伝統では、小人は腕力に頼って進退窮まるのに対し、賢者は無用な衝突を避けて柔軟にかわす知恵を用いると説かれます。一言で言えば、強引に力で押し切ろうとすれば行き詰まるため、一歩引いて柔軟に対応することが打開の鍵です。
自身の主張や正論を押し通そうと組織の障壁や利害関係に正面から衝突すると、不要な対立を招き計画が座礁しかねません。意地になって障害に突っ込むよりも、時期を待つか別のアプローチを探る柔軟な戦術転換が求められます。一言で言えば、壁に力任せで立ち向かうのではなく、迂回や譲歩を視野に入れて賢く立ち回ることが大切です。
意見の食い違いが生じた際に正しさを競い合ったり相手を論破しようとすると、関係に深い亀裂が入ります。互いに意地を張って譲らない膠着状態は疲弊を生むだけであり、角を突き合わせる争いには何の利もありません。一言で言えば、勝ち負けにこだわらず相手に逃げ道を用意する優しさを持つことで、無用な衝突を避けられます。
停滞した取引や含み損を抱えた案件に執着して強引に取り返そうとすると、さらに傷口を広げる危険があります。意地や過信から頑なに同じやり方を維持するのではなく、状況の変化を素直に認めて守りを固める判断が必要です。一言で言えば、うまくいかない方針に無理にしがみつかず、冷静に状況を見直す柔軟さを持つことが損失を防ぎます。
小人は壮を用い、君子は罔きなり。
周易本義爻辞
羝は音低。羸は力追の反。
過剛不中にして壮の時に当たる。これ小人は壮を用い、君子は則ち罔を用うるなり。罔は無なり、有るを視ること無きが如くす、君子の勇に過ぐる者なり。此の如くなれば則ち正しと雖も亦た危うし。羝羊は剛壮にして触るるを喜ぶの物、藩は籬なり、羸は困なり。貞厲の占い、その象此の如し。
周易本義小象伝
小人は壮を以て敗れ、君子は罔を以て困しむ。
伊川易伝爻辞
剛を以て陽に居りて壮に処り、また乾体の終わりに当たる、壮の極まれる者なり。極壮此の如く、小人に在りては則ち壮を用うるとなり、君子に在りては則ち罔を用うるとなる。小人は力を尚ぶ、ゆえにその壮勇を用う。君子は志剛なり、ゆえに罔を用う。罔は無なり、猶お蔑と言うがごとし。その至剛を以て事を蔑視して忌憚するところなきなり。君子・小人は地を以て言う。君子に勇ありて義なきは乱を為すが如し。剛柔中を得れば則ち折れず屈せず、天下に施して宜しからざるなきも、苟も剛の大いに過ぐれば則ち和順の徳なく、傷つくこと多くして与するもの莫し。貞固にこれを守らば危うきの道なり。凡そ物はその壮を用いざるは莫し。歯ある者は噛み、角ある者は触れ、蹄ある者は踶る。羊は首において壮なり、羝は触るるを喜ぶと為す、故に取りて象と為す。羊は藩籬に触るるを喜ぶ、藩籬のその前に当たるを以てなり。蓋し当たるところ必ず触れ、壮を用うるを喜ぶこと此の如くなれば、必ずその角を羸困せん。人の剛壮を尚び、当たるところ必ず用い、必ず摧困に至るが猶きなり。三の壮甚だしきこと此の如くにして凶に至らざるは何ぞや。曰く、三の為す所の如きはその往くこと以て凶を致すに足るも、方にその危うきを言うが故に未だ凶に及ばざるなり。およそ以て凶を致すべくして未だ至らざる者は則ち厲と曰う。
伊川易伝小象伝
小人に在りては則ちその強壮の力を用うることとなり、君子に在りては則ち罔を用うることとなり、志気剛強にして事を蔑視し顧憚するところ靡きなり。
周易注爻辞
健の極に処り、陽を以て陽に処り、その壮を用うる者なり。ゆえに小人はこれを用いて以て壮と為し、君子はこれを用いて以て己を羅するものと為す。壮を以て貞厲とす、羝羊と雖も、これを以て藩に触るれば、能く羸くること無からんや。
周易正義爻辞
「九三小人用いて」より「その角を羸く」に至るまで。
正義に曰く、罔は羅罔なり。羝羊は羖羊なり。藩は藩籬なり。羸は拘累纏繞なり。九三は乾の上に処る、これ健の極まりなり。また陽を以て陽に居る、これ健にして謙ならざるなり。健にして謙ならざれば、必ずその壮を用うるなり。小人これに当たり、恐懼を知らず、即ち用いて以て壮盛と為す、故に「小人は壮を用う」と曰う。君子これに当たれば即ち危難を慮り、これを用いて己を羅罔するものと為す、故に「君子は罔を用う」と曰う。壮を以て正と為せば、その正必ず危うし、故に「貞厲」なり。これを以て正と為せば、状は羝羊の藩に触るるに似たり。必ずその角を拘羸せん。
周易正義小象伝
正義に曰く、小人用いて以て壮と為すと言うは、即ち君子の以て羅罔と為す所以なり。