周易本義爻辞
復は房六の反。
鴻は水鳥なれば、陸は安んずる所に非ざるなり。九三は過剛にして中ならず、しかも応なし。ゆえにその象はこのごときのようであり、その占いは夫征けば復らず、婦孕むも育たず、凶これより甚だしきは莫し。然れどもその過剛なるをもって、ゆえに寇を防ぐに利ろし。
第3爻
九三:鴻、陸に漸む。夫征(ゆ)きて復(かえ)らず、婦孕(はら)みて育(そだ)てず、凶なり。寇(あだ)を禦(ふせ)ぐに利ろし。
九三は急進して孤立し、水辺を離れて乾いた陸地に上がってしまった雁のように、順序を乱した焦りがトラブルを招く警戒の段階です。単独行動や無謀な前進を慎み、守りを固めて仲間と歩調を合わせることが肝要となります。
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易経・四柱推命のリーディング依頼(eastalmanac.com より)。 Page: Hexagram 53 渐 — 第3爻. 二層構造で解釈してください。1)理法の根拠:卦爻の変爻や干支五行の力点と注意すべき盲点。2)実践的アドバイス:問いに対する率直な結論、動詞から始まる2〜3の具体的な行動指針と内省の要点。決定論を排し、自省と意思決定の参考にしてください。出典・詳解: https://eastalmanac.com/ja/yijing/53/3
下卦艮の極みにあって剛強が行き過ぎ、上応もないまま拙速に進もうとするため、爻辞では夫が遠征して戻らず妻が身ごもっても育たないという厳しい戒めが説かれます。小象伝はこれを仲間から離れて道を失った結果とし、外敵を防ぐ守りに徹することのみが利をもたらすと諭しています。之卦が省察を促す風地観となることからも、進軍を止めて現状を冷静に見つめ直す姿勢が求められます。今は前に出る時ではなく、組織や生活の守りを固めることが最優先です。
成果を急ぐあまり周囲との合意形成を怠って独走すると、思わぬ反発や孤立を招く恐れがあります。性急な拡大路線や無謀な企画の推進は、途中で頓挫しプロジェクトの破綻につながりかねません。今は新規の攻めに出るのではなく、既存業務の綻びを点検しチームとの連携を密にすることが身を守る道です。
自己主張や頑なな態度が原因で、相手との間に深い溝や不信感が生まれやすい警戒期です。意地の張り合いや性急な結論の要求は関係を硬直させ、対話を断絶させる危険を孕んでいます。相手を無理に変えようとせず、まずは一歩引いて互いの境界線と安心感を守る配慮を心がけてください。
一攫千金を狙った性急な投資や、分不相応な資金の投入は大きな損失を被るリスクが高まっています。流動性の確保を怠ったまま資金を固定化させてしまうと、不測の事態に対応できなくなります。攻めの運用を一旦停止し、手元の資産と出費の引き締めを徹底して守りに徹するべき局面です。
夫征きて復らざるは、群醜を離るればなり。婦孕みて育てざるは、その道を失えばなり。用いて寇を禦ぐに利ろしとは、順にして相保つなり。
周易本義爻辞
復は房六の反。
鴻は水鳥なれば、陸は安んずる所に非ざるなり。九三は過剛にして中ならず、しかも応なし。ゆえにその象はこのごときのようであり、その占いは夫征けば復らず、婦孕むも育たず、凶これより甚だしきは莫し。然れどもその過剛なるをもって、ゆえに寇を防ぐに利ろし。
周易本義小象伝
「離」は力智の反。
伊川易伝爻辞
平らかにして高きを陸と曰い、平原なり。三は下卦の上に在り、進みて陸に至るなり。陽は上進する者なり。漸の時に居り、志まさに漸進せんとして上に救援なし。まさに正を守りてもって時を待ち、平地に安処すればすなわち漸の道を得ん。もしあるいは自ら守ること能わず、牽かるる所を欲し志就く所有れば、すなわち漸の道を失う。四の陰は上に在りて密近す、これ陽の説(よろこ)ぶ所なり。三の陽は下に在りて相親しむ、陰の従う所なり。二爻相親比して応なし。親比すればすなわち相親しみて合い易く、応なければすなわち適く所なくして相求む。ゆえにこれが戒めをなす。夫は陽なり。夫は三を謂う。三もし正を守らずして四と合わば、これ征(ゆ)くを知りて復るを知らざるなり。征は行くなり。復は反るなり。復らずとは義理に反顧せざるを謂う。婦は四を謂う。もし不正をもって合わば、すなわち孕むと雖も育たず。蓋しその道にあらざればなり。このごときときはすなわち凶なり。三の利ろしき所は寇を防ぐに在り。非理にして至る者は寇なり。正を守りてもって邪を防ぐ、いわゆる寇を防ぐなり。寇を防ぐこと能わざれば、すなわち夫よりして凶ならん。
伊川易伝小象伝
夫征きて復らざればすなわち漸の正を失う。欲に従いて正を失い、その群類を離叛するは醜とすべきなり。卦の諸爻は皆善ならざるはなし。もし独り正を失わば、これその群類を離るるなり。婦の孕むにその道に由らざるは、育たざる所以なり。利ろしき所は寇を防ぐに在りとは、順道をもって相保つを謂う。君子の小人と比するや、自ら守るに正をもってす。豈にただ君子自らその己を完うするのみならんや。また小人をして非義に陥らざるを得せしむ。ここをもって順道をも相保ち、その悪を防ぎ止む。ゆえに寇を防ぐと曰う。
周易注爻辞
陸は高きの頂なり。進みて陸に之き、四と相得て、復た反ること能わざる者なり。「夫征きて復らず」、邪配を楽しみ、すなわち婦もまた貞を執ること能わず。夫に非ずして孕む、ゆえに育たざるなり。三は本と艮体にして群醜を棄て、四と相得て遂に乃ち反らず。婦をして孕むも育たざるに至らしめ、利を見て義を忘れ、進むを貪りて旧きを忘る。凶の道なり。異体好合し、順にして相保てば、物よく間(へだ)つる莫し。ゆえに「寇を防ぐに利ろし」なり。
周易正義爻辞
「九三鴻漸于陸」から「利禦寇」に至るまで。
正義に曰く、「鴻陸に漸む、夫征きて復らず、婦孕むも育たず、凶なり」とは、陸は高きの頂なり。九三は下体の上に居り、これ進みて高きを得るの象なり。ゆえに「鴻陸に漸む」と言うなり。進みて陸に之き、上に応なく、四と相親比し、四もまた応なく、近うして相得たり。三は本これ艮体にして、初・二と同じく一家たり。その群類を棄てて四と合好す、即ちこれ夫征きて反復せざるなり。夫すでに邪配を楽しめば、妻もまたその貞を保つこと能わず。夫に非ずして孕む、ゆえに「育たず」なり。「利を見て義を忘れ、進むを貪りて旧きを忘るは凶の道なり」。ゆえに「夫征きて復らず、婦孕むも育たず、凶なり」と言うなり。「利禦寇」とは、異体好合し、寇難のこれを離間する者有らんことを恐るるも、然れども和比相順い、その相保安なれば、物よく間つる莫し。ゆえに「用て寇を防ぐに利ろし」と言うなり。
注に「陸は高きの頂なり」とあるについて。
正義に曰く、「陸は高きの頂なり」とは、《爾雅》に「高平を陸と曰う」と云えり。ゆえに「高きの頂」と言うなり。
周易正義小象伝
正義に曰く、「群醜を離る」とは、醜は類なり。三と初・二とは、陰陽の殊(こと)なりありと雖も、同体艮卦なり。ゆえにこれを「群醜」と謂うなり。「その道を失えばなり」とは、夫に非ずして孕み、孕むも育たざるは、道を失うがゆえなり。「順にして相保つなり」とは、四が陰をもって陽に乗ずるを謂う。その順ならざるを嫌うも、然れども好合相得て、和比相安んず。ゆえに「順にして相保つなり」と言う。