伊川易伝爻辞
唯だ力足らざるが故に困しむ。困を亨すの道は必ず援助に由る。困の時に当たりて、上下相求むるは理の当然なり。四と初とは正応をなすも、然れども四は不中正を以て困に処り、その才は人の困を済うに足らず。初は二に比し、二には剛中の才ありて以て困を拯うに足る。則ち宜しく初の従う所となるべし。金は剛なり。車は物を載する者なり。二は剛を以て下に在りて己を載す、故にこれを金車と謂う。四は初に従わんと欲して二に阻まれ、故にその来たるや遅疑して徐徐たり。これ金車に困しむなり。己の応ずる所、己を少として他に向かわんかと疑い、これに従わんとすれば則ち猶予して敢えて遽かに前まざるは、豈に羞吝ならざらんや。「終わりあり」とは、事の帰する所は正なればなり。初と四とは正応なれば、終には必ず相従わん。寒士の妻、弱国の臣、各々その正に安んずるのみ。苟も勢を択びて従わば、則ち悪の大なる者として世に容れられざらん。二と四とは皆陽を以て陰に居るも、二は剛中の才を以てするが故に能く困を済うなり。陰に居る者は柔を尚び、中を得る者は剛柔の宜しきを失わざるなり。